2.「利益分配」というカラクリ
「利益分配」とは、「(売上)-(事業に使った経費・仕入)」で算出した「利益」を分配することです。
しかし、合同会社の「利益分配が自由」であることの正しい意味は、「株式会社は、出資の割合(=株式の数)に応じて、利益を分配する(配当)」ことと対照的に、「合同会社は、その分配の比率を自由に設定していいですよ」ということです。
利益が出たら、何でもかんでも自由に使っていいですよ、ということではありません。
詳細にお話しするとページが膨れ上がりますので、多少乱暴ですが結論を申し上げると、「利益分配を行うためには、純資産が300万円以上でなければならない」というふうに法律で決まっています。
しかし、300万円以上の純資産がある会社というのは、それなりの法人税額を納めているのが普通です。
ほとんどの小規模会社の場合、出資者イコール役員(取締役・業務執行社員)です。わざわざ多額の税金を納めてまで、自由比率を設定して利益分配を行うよりも、経費計上できる役員報酬を予め高めに設定して、最終的に納める税金を少なくしたほうが、役員報酬の金額から見たら明らかに得なのです。
つまり、「利益分配」を基準として株式会社・合同会社の形態を選択をすることは普通の設立パターンにおいては意味がないという結論に至ります。
※ すこし難しいですが、利益分配の詳細についてなるべく簡潔にして以下に掲載しました。詳しくお読みになりたい方だけご覧ください。
先述の通り、利益分配を行うためには会社の純資産が300万円以上でなければならないと法律で決まっています。
純資産は、決算書の貸借対照表で表示される項目ですが、会計・決算書がすこし分かるという方でもいまいちピンとこない専門用語ですので、ここでは「利益=純資産」と仮に置き換えましょう。
「じゃあ純資産300万円以上にしたら、利益が分配できるんでしょ?」と思ったあなた、そこに3つ目のカラクリがあります。
例えば、「売上-経費=利益」で、たとえば売上が1,000万円で経費が700万円なら利益は300万円です。「今年は300万円も利益が出たから、これを分配してボーナスだ!」と行きたいところですが、それでは日本国の財政はうまいこと回っていかないですね。
日本の税制を考える人は頭がいいというか抜け目がなく、利益が出た会社には税金がかかってくるわけです。すなわち、この300万円の利益に対しては税金が課税されます。どれくらいの税金(法人税の合計)が課税されるかというと、利益が300万円で計算すると、合計で約140万円となります。(税金についてはこちらのページ)
「え~、300万円も利益が出ると、半分も140万円で持っていかれるの?」と思った方も多いと思いますが、まさに利益の半分くらいは税金として消えてなくなります。
まるで税金を払うために経営しているみたいでが、会社を設立するということはそういうことでもあります。
ほとんどの小規模会社の場合、出資者イコール役員(取締役・業務執行社員)ですので、多額の税金を納めて利益分配を行うよりも、経費計上できる役員報酬をあらかじめ高く設定して最終的に納める税金を少なくしたほうが、役員報酬の金額から見たら明らかに得なのです。
消費税の納税もあり、私がお手伝いさせていただく会社で、この前提条件をクリアして利益分配を行おうとする会社はきわめて稀です。ですから、私の会社や皆さんが設立する会社にとっては、利益分配が自由であるとか、純資産の細かい説明というのは今の時点では考える必要がないということです。
以上のカラクリをなんとなくお分かりいただいたところで、この利益分配を基準として株式会社・合同会社の形態を選択をすることは必要ないという結論に至ります。














